参院選終盤の情勢がほぼ出揃い、異口同音に民主の圧倒的優勢、自民大苦戦と伝えられている。「空気を読む」ことに長けたこの国の国民にとって、安倍内閣の「空気を読めない」振る舞いはあまりに違和感を覚えるものなのだろう。
さんざんに負担増を押し付けておいて、スローガンが「美しい国」「創り上げたい日本がある」(だったかな?)である。「美しい」という言葉の意味が、受け取る人の価値観によってそれぞれ異なることを想像すらできない、独りよがりのものであることすら気づかない人物が首相では、こうなることは火を見るより明らかだろう。だぶん、こんなどうしようもない政権は早く降りてくれという「空気」、この流れはもう変わるまい。
で、そういう情勢を受けて考えるのは、自民党に代わる勢力として果たして民主党が妥当なのかということだが、これはもう違うと考えるしかない。それはなぜか。
2004年の参院選でも民主党は大勝したが、それでいったい何が変わったのか、ということを思い起こせば十分だろう。対案路線とか言って大した「対決」もせずに腰砕けとなり、2005年の総選挙で自民に圧勝を許し、自公政権にいいように振る舞える力を与えてしまったのが、今日の惨状を招いた要因のひとつともいえよう。国民投票法案の採決過程ひとつをとってみてもわかるように、最大野党が与党にまったく対決しきれないから、昨今の情勢に変化を起こしえないと考えるのは当然だと思うがどうだろう。