灰谷健次郎さんが死去 社会派の児童文学作家 from 東京新聞 2006.11.23
本を読む際に、しっかりと構えてからでないと読めない本がある。構えて読むというのは、精神的に落ち着きを持ちつつ、読み終わるまで妨げが入らないような環境で読むことをさす。通勤の行き返りに断続的に読むとか、寝る前に読むとかすると、本の内容がまるで伝わってこないような本とでもいおうか。こう書くと大げさに聞こえるだろうが、映画館でなければ見る価値がないような映画みたいな本のこと、と例えられるかもしれない。
私にとって、灰谷健次郎氏の本はそういう本だった。