個人的には、これほどまでに盛り上がらなかった総選挙もめったにない。民主党が勝つのは、それを仕掛けた側の既定路線上の出来事でしかなく、多少国民生活寄りに政策(公約)をシフトさせたとはいえ、本質的には差のない2大保守政党間での政権のキャッチボールにしか見えないからだ。
とはいえ、一方で、変えることが出来る、変えても良いのだという「民主主義の経験値」を上げることも出来たのだから、それはそれで評価したいと思う。小選挙区制で民意が必要以上に増幅されていることは、あえて横に置いて、だが。
多くの人々が、選挙によって起きた変化が、具体的にどう起こるのかをこれから体験することになる。善し悪しは別にして、その経験は貴重なものになると思っている。かつてのウクライナの政変にかこつけて、「民主主義の経験値」なんてことを言いつのっている者としては、この経験がどうこの国で共有されていくのか、その行き先に興味がある。