いよいよ07参院選投票日。与党敗北、民主大勝の流れのまま、この日を迎えたようだが、「根本的な政策転換」を求める者としては、いずれにしても大きな変化を期待できるような結果にはならなそうな予感が強くあって、いまひとつ気分がぱっとしない。民主党が大勝ちしたところで、国政における政策転換などまったく期待できないからだ。
自民党の負け方しだいでは、与野党を巻き込む大々的な政界再編が起こって、年内にも解散総選挙だ!などというウワサも聞くが、その政界再編の動き自体が、おそらくあまり代わり映えしない連中で行われるだろうから、「再編」後の勢力で行われる選挙自体にも、政策転換の期待は持てそうにないと思ってしまう。というか、お手軽ナショナリズムに乗っかった安易な復古主義的「政策転換」の方が実現してしまうかもと、多少のウンザリ感を伴う「予測」をしてしまったりもしている。
もちろん、政策転換を実現するための投票行動はとる予定だし、そういうスタンスで周りにも呼びかけているし、変えることをあきらめているつもりはない。ただ民主党が一人勝ちしてもあまり変わらないということだけは、04年参院選の結果を見るまでもなくわかっているから、ちょっとウンザリしているだけだ。
で、結果が出てからでは、ネットの隅っこの愚痴親父のただの負け惜しみになってしまいそうなので、この参院選の結果が出る前に思っていることを言ってしまおうと思う。
今の私が国政に求めるのは「根本的な政策転換」、それも国民の一般的な生活をできるだけ底上げすることを最優先にする方向での転換である。
今は、普段の生活の不安定さからくる漠然とした不安が広がり、そこから国民の安全・安心・安定志向が強まっていると見ている。が、その対策として、憲法を改定し軍備をもって国際的に「普通の国として自立」していこうというような方向は、それこそ「漠然とした不安」をケアできないと考えている。
なので、経済的に国民生活を安定させていく方向で、高額所得者への適切な課税(現在の、個人・法人の高額所得者の課税率はあまりに低すぎる)と、この国の企業数の9割超を占める中小企業への支援の根本的増強によって雇用を安定化させ、同時に経済活動を活性化させて社会の安定化を図ることが必要だろうと考えている。いま与党の考えている改憲は、9条改定を最大の狙いにするなど諸外国との関係改善どころか悪化の方向に作用するので、安定した社会を作るにはまったくふさわしくない。ゆえに、現時点では改憲しないことが肝要だと思う。
ただ、こういう方向で政策を転換してくれるような政治勢力はあまりに少数なので、先に書いたように政策転換に期待できない状況であることも確かだ。
ということなので、現状では、自民・公明も民主も過半数に届かない結果というのが「よりまし」な結果だろうと考えている。政権が安定しないほうが、しょっちゅう選挙をやることになって、それだけ変化を起こすチャンスも増えると思うので。政党状況は2大政党的になってきているが、どっちにも過半数は与えないというのがバランス的には一番いい。だから、今回の結果を受けて、政界再編が起こって年内に解散総選挙となれば、めんどくさいがそういう状況は歓迎する。
その上で、いったん民主党にほんとに政権をやらせてみればいいとも思っている。やらせてみてどれだけ変化が作れるか、実際にやらせてみてみたほうがわかりやすいだろうし。
もちろん個人的には民主党には一切期待していない。いまだに自民党の一派閥的存在でしかない以上、政権交代したところで何も代わり映えはしないのは明白だからだ。そんな政党が自民党の最大の対抗馬なら、何も変わらないと思うほうが自然だ。
いまこの国の政権に必要なのは「不安定」だろう。「政権の安定」なぞ、国民生活の改善に何の役にも立っていない。年に2回でも3回でも国政選挙をやるぐらいの「不安定」さを切に望む。
とここまで書いて、3年前の参院選について書いたエントリーを読み返してみたら、ほとんど同じことを書いておりました(これとかこれなど)。
私の頭が堅いのか、それとも世の中が変わっていないのか。う?ん。ま、どっちでもいいけど。
どんな組み合わせになっても安定しない「政権」になるような絶妙の選挙結果。そんなのが本当になったら、とっても面白いと思うんだけどなぁ。
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