私の手元の時計では、18時6分だった。教育基本法「改正」案が、特別委員会で可決された時間である。
参議院インターネット審議中継で、教育基本法特別委員会の審議中継を見ていたが、国民新党の委員の質問が終わったとたん、与党議員の誰かから動議(何の動議か聞こえなかったがたぶん審議打ち切りの動議だろう)が出され、「今日はもう散会だ」と叫ぶ野党委員の中で、中曽根弘文委員長が「動議に賛成の方の規律を」「法案に賛成の方の規律を」「委員会報告を委員長に一任することに賛成の方の規律を」と、淡々と採決を進めていく様子をずっと見ていた。
この間、約1分間。実に淡々と採決が進んでいた。
夕方の審議の後半を聞いていたが、タウンミーティング「やらせ」問題などにまともに答弁したものはなかった。答弁に立つ政府側の姿勢は、のらりくらり、というのがぴったりくる印象だった。教育基本法を変えることで何が出来るのか、結局、納得行く形で示されないまま、採決が強行された。
その採決の場に安倍首相はいなかった。
「基本」と名の付く重要法案を変える場面に、安倍首相は立ち会うぐらいの余裕さえなかったのか。この臨時国会での最重要法案といっていたのだから、実質的に成立と動議同義の特別委員会採決の前に、答弁に立つ「責任」を果たす意思ぐらいあってもよかったのではないか。それが、中身はともかく、国民にむけて語ることになるのに。その姿勢さえ持たないのか
まったく。ぜんぜん闘っていないじゃないか、安倍首相。NHK番組事前介入事件問題の時のように、いろいろと語る言葉さえ、今は持ち合わせないのか。
こんな人物が首相である。情けないこと極まりない。
特別委員会での採決強行に抗議する。明日15日、「法案採決のための参議院本会議は開くな」という教育基本法「改正」情報センターの呼びかけに応じて、扇参院議長にFAXを入れたいと思う。
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