もう成立するんじゃないかという観測が目立った教育基本法「改正」案が、12月12日現在まだ成立していない。
こうなった要因には、めちゃくちゃな法案改定に反対する世論が、大手マスメディアの黙殺にもかかわらず強いことがあるだろう。さらには、法案提出側である政府の関係者が、意見を聞く場であるタウンミーティングでやらせ質問をしていたという、法案提出者としての資格そのものを疑わせるような問題が発覚したり、「改正」案の中身を先取りしたような「教育行政」を強引に進めてきた東京都の石原慎太郎知事が、自分の外遊に規定を大幅に上回る税金を使い続けてきたことなど、「改正」推進派の面々のお粗末な振る舞いが明らかになったことも影響しているだろう。衆議院で、与党単独での強行採決をしたが、その後世論調査の支持率が続落中の安倍政権の事情もあるかもしれない。
今度の教育基本法「改正」には、国家権力が、あるべき国民の姿を設定し、そこに権力を使って誘導するという意図が見え隠れしている。まあ、ベタに言ってしまうと、一部のエリート育成と、そのエリートに従順に従うその他大勢の一般人を育成することを目指しているもの、としか言いようがないだろう。実際、東京都の公立学校で過去数年間何が行われてきたかを見れば、今回の「改正」の行く先はある程度推測できる。あとは、そんなことになったときに、自分と自分の周りの人々にどんなことが起こるのか、そこをどれだけリアルに想像できるかで、この問題の受け止めは変わってくるだろうと思うぐらいだ。(エリートになれると思う人間にはいいかもしれない。でもそう思っているアンタが本当にエリートとになれるかどうかは別問題、ということだ。だいたい「改正」を主張するエリートたちが、いままさにどんな振る舞いをしているか。それをよく見ることが大事だと思うが如何に。)
ということで、本当にぎりぎりのところまで来たこの臨時国会会期末。「エリート」たちの無茶を許さないためにも、最後までメッセージ攻勢をかけようと思う。
残念ながら国会にいけないので、以下のサイトから教育基本法「改正」反対のメッセージを送ろうと思う。教育基本法の「改正」が必要ないと思う方はぜひ。
憲法・教育基本法改悪反対!あなたにも簡単にできる国会議員・マスコミ要請メール by 兵庫県高等学校教職員組合
あと、例の共謀罪創設法案もまだ予断を許さない模様。こちらも許さないという方は、グリーンピースジャパンのSay “NO” to 共謀罪法案 サイバーアクションからメッセージを。
(2006.12.13 00:33追記)
教育基本法「改正」情報センターが「【アピール】公述人・参考人として教育基本法案の徹底審議を求めます」への市民緊急賛同署名をやっているとの情報をRSSリーダーで拾ったので、追記します。明日、というか今日12月13日午前10時締め切りで、午後1時に国会に提出するそうです。「改正」反対な人はこちらにも是非署名を!
(全国国公私立大学の事件情報のエントリー「 教育基本法「改正」情報センター、声明「伊吹文科大臣の罷免と、安倍総理大臣の不信任を求めます!」」経由で知りました。感謝。)
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