10月22日の2つの衆議院議員補選(神奈川・大阪)で自民党がともに勝ったこともあって、どうやら週明けにも共謀罪審議入り、もしくは強行採決の可能性が浮上してきているそうです。安部政権は、今国会の重要法案から「共謀罪」創設をはずしましたが、それはポーズであって、10月の2つの補選にマイナスの影響を与えたくなかったのではと見られ、そして補選で2勝したことで、一気に創設へ持ってくるのではないか(重大情報!共謀罪は10月24日法務委員会法案審議冒頭に強行採決 か!?(海渡弁護士) 2006-10-19 - レイバーネット日本)と観測が出されています。
ウェブで公開されている法務省の見解と、日弁連の意見書を読み比べても、「共謀罪」創設の根拠のなさが気になります。だから、補選の結果を見た上で一気に採決へ持っていこうとしているのかもしれません。東京新聞も10月22日付で最近の「共謀罪」創設をめぐる事情(こちら特報部「『共謀罪』法案 今週審議入りか」)を取り上げています。
ということで、前国会時でもやりましたが、再度衆議院法務委員会の各委員に「共謀罪」反対のFAXを送ろうかと思います。法務委員の連絡先は「共謀罪って何だ?!」サイト内の委員会名簿を参照させていただきました。送る予定の文章は以下のとおりです。
衆議院法務委員会委員 各位
「共謀罪」は廃案に! 抜き打ち的に強行採決するな!
人の考えを処罰しようとする「共謀罪」は、日本国憲法に違反します。この法案は、必然的に適用範囲があいまいになり、際限なく拡大解釈されかねない重大な危険性をはらんでいます。これが成立してしまうと、「治安」「安全」の名の下に、国民同士が相互に監視しあうような束縛的な不自由社会になってしまいます。
先の国会では、審議を進めれば進めるほど、共謀罪創設の根拠が崩れていきました。政府・与党は国連越境組織犯罪防止条約を批准するために共謀罪が必要と説明してきましたが、その後共謀罪がなくても批准可能であることが明らかになったのは、共謀罪導入の根拠がないことの象徴的な事例となりました。
「共謀罪」は廃案にするしかありません。特に強行採決は絶対にやめてください。民意を反映していない「数の力」で強引に採決すれば、日本の政治に戦後最悪の汚点が残ります。もし、このままこの法案が採決されるようなことがあれば、賛成した政党・議員に、今後の国政を担ってもらうことは考え直さざるを得なくなります。
ただでさえ息詰まるような現在の日本社会が、さらに自由にものが言えぬ監視・統制社会に成り果てるのはごめんです。
(追記:2006.10.23 01:19)アップした直後に、日経web版が10月21日付で報じた「少年法改正案、今国会成立見送り・政府与党」を読みました。その中に、少年法改正案見送りの理由として「「共謀罪」の創設を盛り込んだ組織犯罪処罰法等改正案や多様化した経済活動に見合う信託の新たな形態を認める信託法の成立を優先するためだ。」という記述がありました。どうやらあまり予断は許されないようですね。
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