ただいま読書中:「在日 ふたつの祖国への思い」姜尚中著

 本日(というか昨日)、ふらっと立ち寄った会社近くの本屋で購入。途中まで読んだが、非常に面白い。
 「在日」という立場から、先の大戦での日本の敗北から始まる日本と朝鮮半島を巡る歴史の変動を書いているが、時々の国際情勢を踏まえながら、日本と韓国・北朝鮮が戦後どのような歩みを進めてきたかを、コンパクトかつ丁寧に書いている。日本と朝鮮半島を巡る戦後の歴史について、あまりに知らないことが多いことに改めて気付かされる。
 たとえば日韓基本条約がどのような経緯を経て締結されたのか、当時の国際情勢も交えて書いてあるが、日本側の事情、韓国側の事情、アメリカの思惑など興味深い事項に触れてあったりしていろいろ考えさせられる。これを読むと、たとえ日本の戦争被害についての個人補償は日韓基本条約で決着済みであったにしても、そうなった経緯には実にいろいろな思惑なり事情があって、単純に「済んだ問題」とは言い切れなくなる。いろいろ教えられる本だ。参考文献をたどっていけば、より深く知識を広げていけると思う。

 「在日 ふたつの祖国への思い」姜尚中著 講談社+α新書 800円 ISBN4-06-272306-9

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