民放含む160機関指定 有事の協力を義務付け 国民保護法、17日施行へ from 東京新聞 2004.9.7
有事の際に、政府が、自らの裁量で好きなように統制できる企業・業者が決まった、というお話。指定に反対していた民放をはじめ、有事の際の大量輸送手段の確保として航空会社や海運会社を含む交通機関まで含められているという。
ひとたび「有事」事態が認定されれば、政府が国民生活全体をその統制下に置くための仕組みづくりが着々と進められている。これで、指定された報道機関は、有事の際は政府の広報・伝達機関として機能することになるわけだ。大本営発表をたれ流した戦時中のメディアとそっくりになってしまうね。
ところで、「有事」事態の認定って、誰が何を根拠にどういう段階でどのように行うのだろう。この点については、全くすっきりしないと思っている。いろいろな事態が想定されているが、例えば「武力攻撃が予測される事態」などいったいどうやって判断するのか、いまだに理解できない。どんな状態がそれにあてはまるの? どっかの国の「ミサイル」とやらがこっち向いているのはどうなの? その根拠となりうる情報はどうやって集めるの? まさかアメリカ軍頼みじゃないよね?等々、疑問のネタはつきない。
国民生活に重大な影響を与えかねない法令だからこそ、それに関連する情報は国民に対し限りなくオープンであるのは当然と(有事でない今だからこそ特に)思うのだが、政府・当局にはそのような考えはあまりなさそうだ。それでいて「有事の際は国民の皆様を守ります。任せてください」みたいな事を言う。
なんでも秘密にしたがる人たちに、お任せしたくはないなあ。