次はブロック紙・地方紙から。
東京新聞「終戦記念日に考える 浅はか過ぎないか」
今時のメディアの情けなさばかり目立つ中、久々に真っ当な主張を見ました。とにかく、この社説はきちんと読んでください。憲法に対する錯覚の落とし穴、対米追従がもたらす弊害など、いまの病理をわかりやすく解き明かしています。「目を上げて視野を広げよ」。その通りです。
琉球新報「終戦記念日・「非戦」の誓い新たに 基地ある限り続く「戦後」 」
沖縄タイムス(1)「八月十五日 次世代へ語り継ぐ重み」
沖縄タイムス(2)「「歴史の克服」 「不戦」を実行してこそ」
矛盾を直接抱える沖縄の主張はやはりはっきりしている。産経、読売の社説に対する答えがこれだと思った。
戦争を知る世代は沖縄でも10人に2人程度になってしまった(沖縄タイムス(1)より)という。「だからこそ、それぞれが次世代へどう語り継いでいくか。それが問われてもいるのだ。」という言葉が重い。「来年は戦後六十年である。その節目自体に大きな意味合いを持たせたいのか。それとも、六十年たてば、戦争の傷跡が癒えたとでもいうのだろうか。」(同)この視点は忘れてはなるまい。
北海道新聞「終戦記念日*現実感を忘れてはならない」
岩手日報「終戦の日 「歴史」に学ぶ姿勢守れ 」
河北新報「戦争としっかり向き合おう」
信濃毎日新聞「終戦記念日 不戦の軸足は動かせない」
神戸新聞「終戦記念日/悲惨な体験を共有し未来を探る」
高知新聞「【過去の克服】未来向け自らの手で」
言葉はいろいろあれど、過去の歴史をきちんと学び、同じ過ちを繰り返さないことが不可欠という点で共通している。「加害の歴史に正面から向き合わず、国内外、特にアジアの人々との間の宿題を放置してきた戦後政治、そして日本社会全体の責任」(高知新聞)がいま問われているのだと思う。
中國新聞「終戦記念日 近隣諸国に目配りを」
南日本新聞「【終戦記念日】いま1度かみしめたい「不戦の誓い」」
「不戦の誓い」とともに、アジアへの視線も忘れるなという指摘は大事だ。経済面で相互依存が強まっているだけに、対立はなんの益にもならない。