民主主義の基本とは

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 先のエントリーで書いた、地元の駅頭で民主党都議が配っていたビラの件で余談をひとつ。

 そのビラには「政権交代が真の民主主義」という一文があった。

 政権交代は手段であって目的ではないはずだが。政権交代していれば民主主義、ってのはとても乱暴な物言いだろう。もしそれが本当にそうならば、選挙はただの多数派工作の場にしかならない。無所属議員が当選後、自民党に入るなんてことが、民主党でも行われるようになるだけだろう。なにか勘違いしているとしか思えない。

 私は、民主主義の基本は、少数意見を如何に多数派の意見の中に取り入れていくかであると思っている。実にさまざまな人間が同時代に生きているのだから、意見に多様性があって当たり前で、多数のものと少数のものとがあるのも当然である。だが、たとえ少数の意見であっても、それは出した人たちの何らかの要求に基づくものであるのだから、徹底して協議して、多数意見の中に反映させるべきものはどんどん取り入れていくのが民主主義のあるべき姿と思っている。
 只のわがままとか強要的な意見などは、協議をしてそれぞれの主張について理解が深まっていく中で、根拠を失って衰退していく(仕事の会議などでもそういう場面はしばしばある)ものだ。根拠の希薄な意見を強引に押し通そうとすれば、何処かで無理をしなければならなくなる。国会などでは与党がよく強行採決をするが良い例だ。無理に何かをするから矛盾を引き起こし、後の事態の悪化を招き、どうしようもなくなってまた無理をする羽目になる。現在の日本政府の体たらくは、まさにその結果と見える。

 民主主義のないところには、いつか破滅がやってくる。そんなことを誰かが言っていたが失念した。しかし、その言葉をじわじわと実感しつつある。

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