一年で一番忙しい一週間がようやく終わり、久しぶりにためておいたニュースやブログの記事を見てみると、どうも参議院議員選挙が終わってから、有象無象の輩たちの本音がどんどん出てきていて、ある種の壮観を体しているようである。まあ当選した議員たち(特に与党)は、選挙が終わればひとまず安心、当面好きなことができる、という気分なのだろう。毎度毎度のことながら醜いことである。
レッキとした敗北を「勝利」と言いくるめて居直る首相とその取りまきに、各社世論調査が「それは違う」という結果を出したのはつい先ごろか。そんな選挙後のダルい雰囲気の中、自民党橋本派に日本歯科医師連盟(日歯連)から1億円の小切手が渡された(自民党側の当事者は否定)など、不明朗な資金疑惑が浮上。さらに日歯連は、民主党や公明党にまで政治献金をするなど与野党を問わず金脈を築いていたことも明らかになるなど、選挙後早くも金に絡む疑惑が取りざたされている。これが選挙前に明るみになっていれば、と思わずにはいられないニュースだ。
今回の参院選の結果は、改憲派議員を増やした形となり、実質大敗して組織の締めなおしが必要な自民党に代わって、民主党から改憲容認の発言が相次ぎ、局面としては改憲の流れが強まりそうな気配でもある。でも民主党で、今回の参院選において憲法改定を争点にした候補っていたっけ? マニフェストには一応書いてあったみたいだけど、選挙前は議論を避けていたようにみえるのはオイラだけか? 公明党だって「加憲」などとワケのわからん事を言いつつ、実質改憲路線に擦り寄っているし。どうにもしょうもない状況に思えてしかたがない。
そんななか、いつの間にかジェンキンス氏が来日。基本的に曽我さんの希望がかなったわけだから、それは歓迎するし、家族で一緒にいることに全く異議はないが。ジェンキンス氏、本当に日本で治療しなければならないほどの病気なの? そこがどうにもよくわからん。政府関係者のコメントを聞いていると、どうしてもジェンキンス氏を重病にしておきたいような雰囲気がどうしようもなく伝わってきて、その手を使ってきたか、としか思えないんだよね。おいおい、そんなことして大丈夫?アメリカにとっつかまらない?とかえって心配になってしまう。しかも「すでにアメリカは訴追済み」だって言うし。司法取引でなんとかしようとしているらしいが、そんなことさえ今まで分からんかったんか!とツッコミたくなる。
そしてじわじわ本音が出されてきているのが消費税問題。民主党が年金問題がらみで3%増税を選挙公約に入れていたが、あんな政策で消費税が年金の財源にされちゃたまらん、というのがオイラの感想。だいたい、低所得者層ほど負担の重い(逆進性の高い)消費税を、主に低所得者層への富の再分配の仕組みである福祉の財源にするなぞ、本末転倒も甚だしいからだ。導入後16年間の消費税の累積税収が148兆円。で、大企業中心に法人税等を減税した分が145兆円。これをみるだけでも「福祉目的」と言われつつ導入された消費税が、全く福祉予算の増強に役立っていないことがよくわかる。今さら「年金のため」と言われたって信用できるか!と思うのである。
そんなこんなの有象無象のきわめつけは、やっぱり海の向こうのアメリカさん。アーミテージさん、またまた言ってくれましたね。「九条は日米同盟の妨げ」だとか。あなたが2000年に出した報告書(アーミテージリポート)の内容とほぼ同じだからいまさら驚かないが、実際のところほとんど内政干渉だよね。冗談じゃないや、外野は引っ込んでろ!と言いたいところだが、そういう発言を引き出したのが日本側の自民党などの皆さんなのだから恐れ入る。日本は外圧で物事が動くとさんざん言われたが、本当にそれを地で行っているような情けない振る舞いだね。自民党は本当に「米国のために、この属国を作っている」んだね。
国内じゃ、豪雨で各地に被害が出ているのに、復興は遅々として進まず、一方で首相は外遊ばかり。自殺者が過去最多となったニュースに対し、この国の現首相は「どういう事情があったかわからない」と言い放つ。かつて保守政治家が持っていた最低限の矜持さえ、この男は持ち合わせていないようだ。
そんなだから、国内にはやることが山ほどあるのに外国ばかり行く。国内には居場所がないんだろう。まあ、おかしな事ばかりしていればそうなるのは必然だが。いろいろご協力いただいた(かもしれない)「将軍様」のいる国が、彼には一番居心地が良かったりして。
反戦平和デモの参加者を挑発して逮捕する。交番に助けを求めた人間を見殺しにする、せっかく「逮捕した元長官狙撃」容疑者の容疑立件が出来ない。裏金づくりだけは長けていて、バレてもひたすら隠そうとする。警察が、警察の役を果たさなくなったのは何時のことか。
どうしてこんな有象無象がいまごろになってぞろぞろ出てくるのか。今のうちに出せるだけ出しておいて、アテネオリンピックのレポート洪水で、すべてを押し流そうという魂胆か。
すべてが馬鹿馬鹿しくなってくるが、それが現実でもある。何が出来るのか、この夏も考え続けていくつもりだ。
こんばんは。
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共感するところ大です。
国民を食い物(あるいはコケ)にするのはそろそろやめてもらわないと困りますね。
勝手ながらリンクも張らせていただきました。
PPFVさん、こんにちは。TB&記事紹介ありがとうございます。
選挙前には、大事なことはぼかしておきながら、終わった途端に「さて実は・・・」と本音を持ち出してくるのはもう彼らの常套手段ですよね。だからこそ選挙で意思表示が終わっちゃまずいと思うのです。
とにもかくにも、言わなきゃいけないことは言いつづけなければいけませんね。
世の中まだまだ大変なことが続きそうです。