反戦ビラ訴訟、3被告に無罪 地裁八王子支部 (朝日新聞) from goo ニュース 2004.12.16
至極当然の判決と思う。どのような主張であれ、ビラに記載して投函する行為自体は憲法に擁護されている権利であろう。たとえ程度の問題があったにせよ、いきなり検挙して刑事責任を問う行為に及ぶとは何事か、という判決は、その通りと思う。
しかし、こんなことでも裁判所に判断を仰いで確認しなければならなくなってしまったのだろうか。行きすぎの「守ってくれ」という要求がどんな事態を引き起こすか、その好例の事件ともなってしまった。この社会とそこに住む人間たちの「劣化」を顕にした事件、と見るのは穿ちすぎか。
昨年は「自衛隊官舎ビラ入れ」で無罪判決が出ましたが、検察が控訴しました。その直後、葛飾区で政党の区議会だよりなどを配っていた人が逮捕され、拘留されたまま年を越しています。表現の自由、知る権利の侵害です。意見を表明する手段としてのチラシ等の配付は、ひとりでできるだけに、表現の自由の象徴的な行為だと思います。ここにターゲットを絞っているのは、自由の行使を萎縮させ、今後予想される市民の政府批判を押さえ込んでいこうという政権側の思惑が現れたものだと判断しています。
政権の側は税金を使って「広報紙」を発行します。これはいわば「大本営発表」。それに対して発行されるものは「批判記事」です。これを取り締まりの対象にしているわけですから、その本質は政権批判を悪とする雰囲気の醸成にあることは容易に推測できます。無罪だけでは不十分で、逮捕権の乱用として追及していく必要があると思います。